企業再生コンサルとは?費用相場や選び方のポイントを解説

企業再生コンサルと聞いて、企業の再生を行うコンサルタントであることはわかるものの、それ以上の詳しい情報を知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、企業再生コンサルの仕事、企業再生コンサルに仕事を依頼した場合の費用相場、企業再生コンサルの選び方のポイントなどを詳しく解説します。
企業再生コンサル選びに迷われている方は最後までご覧ください。
企業再生コンサルとは経営不振の企業を立て直す専門家
企業再生コンサルとは、経営不振に陥っている企業にアドバイスをし、企業の経営を立て直す専門家をいいます。ここでは、企業再生コンサルの必要性や役割などを詳しく解説します。
企業再生とは経営不振の原因を排除し復活させること
企業再生とは、企業が債務超過に陥っている場合などに、経営不振となっている原因を分析し、それを排除して企業を復活させることをいいます。経営不振の原因は様々なものが存在し、それらが複雑に絡み合っている場合もあります。企業再生には通常、債権者をはじめ多くの者の協力が必要になります。
企業再生コンサルがなぜ必要なのか?
経営不振の企業は存続の危機に瀕している場合も多く、自らの力だけでは復活するだけの体力が残されていない場合もあります。また、経営不振の原因は一つだけでなく、複雑に絡み合っている場合もあります。
企業再生コンサルは事業面、財務面、組織面に幅広く知見を持っている専門家であり、企業だけでは対応することができない諸問題を解決する能力を有しています。企業再生コンサルは、高い専門性を持って企業再生を推進することが可能であるため、ニーズが高まっているのです。
経営コンサルタントの違いは難易度の高さ
企業再生コンサルと経営コンサルとの違いは、一言でいうと一般的な経営のコンサルティングよりも企業再生のコンサルティングのほうが難易度が高いということです。
一般的な経営コンサルは、企業の経営状況を調査・分析し、その結果をレポートすることが主な仕事です。調査能力や分析能力が求められますが、仕事を実行していくにあたっての緊急度や困難度はそこまで高くありません。
一方、企業再生コンサルは、企業が経営不振に陥っている原因を分析し、速やかに実行していく実行力が求められます。また債権者との交渉などキャッシュフローの改善を直接的に改革していく必要があります。さらに、結果として企業が再生されるという目に見える成果が必要です。これらの点において企業再生コンサルは、一般的な経営コンサルよりも難易度が高いといえます。
企業再生コンサルの5つの重要な役割

企業再生コンサルの仕事は企業の再生という難易度が高い業務であり、その役割の重要性も高いです。以下では、企業再生コンサルの重要な役割を5つ挙げて詳しく解説します。
経営課題の診断や分析をする
企業を再生するためには、まず企業の経営課題や経営不振に陥っている原因を診断・分析し、実行支援につなげていくことが重要です。これらをしっかりと分析することができなければ、再生の方向性がぶれてしまい、企業再生が失敗に終わってしまう可能性が高くなります。これらの分析を正確に行うことは、企業再生コンサルの重要な役割といえます。
事業再生計画の策定や実行支援をする
企業の経営課題や経営不振に陥っている原因を診断・分析した後は、事業再生計画の策定や実行支援を行っていきます。事業再生計画とは、洗い出した経営課題や不振の原因をもとに事業面・財務面・組織面などあらゆる方向からの改善案を具体的に記載したものです。この事業再生計画の策定と、具体的な実行支援に落とし込んでいくことは、企業再生コンサルの重要な役割の一つです。
金融機関などに資金調達支援を行う
事業再生計画では、財務面での改善案も提案します。具体的には資金繰りに窮している企業への資金調達支援を行います。銀行からの融資をもらうために事業再生計画を融資担当者にプレゼンし、返済までの計画を立てて融資担当者から融資をしてもらうよう働きかけます。融資をもらうための説明は高度な能力が求められるため、企業再生コンサルの重要な役割の一つとなっています。
債権者などのステークホルダーと交渉を行う
資金繰りに窮している企業は、各債権者への支払いが滞っているケースが多くみられます。財務面の再生のためには、事業再生計画に沿って返済を行うことを条件に、各債権者に債権を減額または支払いを猶予してもらうことが必須です。各債権者との交渉は企業再生コンサルにとって重要な業務です。
計画通りに進んでいるかモニタリングする
事業再生計画に沿って実行が進められているかをモニタリングすることも企業再生コンサルの重要な役割の一つです。計画を立てたものの、計画通りに再生が進まないようであれば計画を立てた意味がありません。計画どおりに進んでいるかを逐一モニタリングし、計画通りに進んでいないのであれば、その原因を分析して修正していく能力も企業再生コンサルに求められます。
企業再生コンサルへの依頼の主な流れ
企業再生コンサルに依頼するためには、「再生コンサルティングファーム」と呼ばれるファームに依頼するのが一般的です。再生コンサルティングファームとしては、PwCやデロイトトーマツなどグローバルに展開するトップファームが有名です。
ファームに直接コンタクトをしても問題はありませんが、知り合いや顧問の会計士や税理士がコネクションを持っていることが多く、コネクションを経由して企業再生コンサルとの打ち合わせを行うこともできます。
企業再生コンサルの費用相場は案件の規模によりさまざま
企業再生コンサルに再生を依頼した場合の費用相場は、再生の規模によって大きく変動します。ここでは、小規模から中規模の会社の企業再生を依頼した場合に発生する費用感をお伝えしますので、参考にしてみてください。
一般的な費用相場は定額報酬型で月額30~100万円程
企業再生コンサルに依頼した場合の一般的な費用相場は、定額報酬型で月額30~100万円程度です。小規模の再生案件であれば月額10万円程度の場合もありますが、一般的にはこの範囲と考えておきましょう。経営不振に陥っている企業にとっては安くない費用ですが、企業再生コンサルは高い専門性を備えた集団であるため、報酬はそれなりに高額となります。再生を検討している企業は継続して費用を捻出できるか検討すべきでしょう。
なお、固定報酬ではなく時間契約型も存在します。時間契約型の場合、1時間あたり5,000~10万円程度が相場です。企業再生コンサルの役職や案件の複雑さによって単位時間あたりの単価は変わってきます。作業量が多い場合高額になる可能性があるため、定額報酬型のほうが安く済むケースもあります。
成果に応じて報酬が発生する成功報酬型も
企業再生コンサルの報酬は、固定報酬型だけではなく、成果に応じて報酬が発生する成功報酬型もあります。成功報酬型には、固定報酬型とのハイブリッド型と、完全成功報酬型の2つがあります。
固定報酬型とのハイブリッドとは、月額の固定報酬を安く設定し、企業再生の成果に応じた成果報酬を最後に支払う方法をいいます。この方法の利点は、月額の固定報酬を安く抑えることができる点です。
完全成功報酬型とは、企業再生の成果が獲得できた場合にのみ成功報酬を支払う方法をいいます。毎月の月額報酬が発生しないため、資金繰りに窮している企業にとっては非常にメリットのある方法といえるでしょう。その代わり、成果が獲得できた場合の成功報酬が通常に比べて割高になるケースが多いため、資金繰りの状況を鑑みた上でいずれの報酬型を選択するかを決定するようにしましょう。
企業再生コンサルの選び方5つのポイント
企業再生コンサルは企業の再生にとって重要な役割を担うため、企業再生コンサル選びは非常に重要です。企業再生コンサルと一言でいっても様々なコンサルが存在しており、コンサル選びに失敗してしまうと再生計画が頓挫してしまう可能性もあります。企業再生コンサルには資格がないため、弁護士や会計士などと違って一定の能力が担保されているわけではありません。名乗るだけなら誰でもできるため、見極めが一層重要になります。
以下では、企業再生コンサル選びに失敗しないための選び方のポイントを5つ紹介します。これらのポイントを見極めた上で適切な企業再生コンサルを選ぶようにしましょう。
過去の成功事例や専門分野を確認する
企業再生コンサルを見極めるための一番のポイントは、その企業再生コンサルの過去の成功事例や専門分野を確認することです。
企業再生コンサルと一口にいっても専門分野はさまざまです。或る専門分野では実績を上げていたとしても、或る専門分野では能力を発揮できないということもあります。まずは自らの企業の再生が得意かどうか、専門分野を確認するようにしましょう。
それと同時に、その企業再生コンサルの過去の成功事例を確認することも重要です。先ほども申し上げたとおり、企業再生コンサルを名乗るだけなら誰でもできるため、過去の実績が一切ないケースもあります。過去にどれだけの成功事例があるかは、企業再生コンサルの能力を見るための重要な指標となります。
過去の成功事例や専門分野については、多くの場合、企業再生コンサルのホームページに掲載されています。依頼する前の打ち合わせにおいて確認することもできます。
自社と同じ業種に精通し解決策を提示できるか
専門分野にも共通することですが、自社と同じ業種に精通しているかどうかも企業再生コンサル選びの重要なポイントの一つです。
企業再生といっても企業の業種はさまざまですから、その企業に合った再生計画も企業ごとに異なります。或る企業ではベストな再生計画であっても、或る企業ではベストではないということもあります。自社と同じ業種に精通しているかどうかは、再生計画を立てる上で不可欠なポイントの一つといえるでしょう。
金融機関や債権者との交渉が得意か
企業再生コンサルは、事業面や財務面に関する幅広い専門知識を有していますが、交渉術も重要なポイントの一つです。
企業再生の過程では、金融機関との資金調達交渉や、各債権者との債権減額・支払い猶予の交渉など交渉が頻繁に発生します。交渉に慣れていないと融資ができなかったり債権が減額できなかったりして再生計画に悪影響を及ぼします。再生計画を立てる能力と同程度以上に交渉能力は重要なのです。
経営者と信頼関係を築いて計画や実行支援ができるか
再生計画に沿って再生を実行していくために、経営者と協力して進めていかなければなりません。ときには経営者を意見が対立する場合もありますし、経営者の痛みを伴う改革を実行する必要もあります。
そういった場合で経営者と信頼関係が築けないと、再生計画をうまく進めることができず頓挫してしまいます。経営者をうまくコミュニケーションを取って信頼関係を築くことができるかも重要なポイントです。経営者の方は、依頼する際に信頼関係が築けそうか確認するようにしましょう。
現場と深く関わって課題解決ができるか
企業再生コンサルは再生計画に沿ってトップダウンに改革を実行するケースが多いため、社長や幹部とのコミュニケーションは必須です。一方で、再生計画に沿って実際に実行するのは現場の担当者です。よって、企業再生コンサルは現場の担当者とも深く関わって課題解決をしていくことも求められます。現場担当者の気持ちを理解し、改革を実行してもらえるように動いてもらう能力が必要です。
経営者とばかり話して現場を軽視する企業再生コンサルは注意すべきでしょう。
まとめ
企業再生コンサルは、企業の再生にとって重要な役割を担う人材です。企業再生コンサルは事業面・財務面・組織面などあらゆる面で幅広い専門知識が求められます。また、理論だけではなく実行力や交渉力も重要です。
企業再生コンサルを選ぶ際は、専門分野の確認だけでなく、過去の実績、打ち合わせの際のコミュニケーション力、実行力なども総合的に考慮して選択するようにしましょう。
企業再生コンサルとは?費用相場や選び方のポイントを解説

企業再生コンサルと聞いて、企業の再生を行うコンサルタントであることはわかるものの、それ以上の詳しい情報を知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、企業再生コンサルの仕事、企業再生コンサルに仕事を依頼した場合の費用相場、企業再生コンサルの選び方のポイントなどを詳しく解説します。
企業再生コンサル選びに迷われている方は最後までご覧ください。
企業再生コンサルとは経営不振の企業を立て直す専門家
企業再生コンサルとは、経営不振に陥っている企業にアドバイスをし、企業の経営を立て直す専門家をいいます。ここでは、企業再生コンサルの必要性や役割などを詳しく解説します。
企業再生とは経営不振の原因を排除し復活させること
企業再生とは、企業が債務超過に陥っている場合などに、経営不振となっている原因を分析し、それを排除して企業を復活させることをいいます。経営不振の原因は様々なものが存在し、それらが複雑に絡み合っている場合もあります。企業再生には通常、債権者をはじめ多くの者の協力が必要になります。
企業再生コンサルがなぜ必要なのか?
経営不振の企業は存続の危機に瀕している場合も多く、自らの力だけでは復活するだけの体力が残されていない場合もあります。また、経営不振の原因は一つだけでなく、複雑に絡み合っている場合もあります。
企業再生コンサルは事業面、財務面、組織面に幅広く知見を持っている専門家であり、企業だけでは対応することができない諸問題を解決する能力を有しています。企業再生コンサルは、高い専門性を持って企業再生を推進することが可能であるため、ニーズが高まっているのです。
経営コンサルタントの違いは難易度の高さ
企業再生コンサルと経営コンサルとの違いは、一言でいうと一般的な経営のコンサルティングよりも企業再生のコンサルティングのほうが難易度が高いということです。
一般的な経営コンサルは、企業の経営状況を調査・分析し、その結果をレポートすることが主な仕事です。調査能力や分析能力が求められますが、仕事を実行していくにあたっての緊急度や困難度はそこまで高くありません。
一方、企業再生コンサルは、企業が経営不振に陥っている原因を分析し、速やかに実行していく実行力が求められます。また債権者との交渉などキャッシュフローの改善を直接的に改革していく必要があります。さらに、結果として企業が再生されるという目に見える成果が必要です。これらの点において企業再生コンサルは、一般的な経営コンサルよりも難易度が高いといえます。
企業再生コンサルの5つの重要な役割

企業再生コンサルの仕事は企業の再生という難易度が高い業務であり、その役割の重要性も高いです。以下では、企業再生コンサルの重要な役割を5つ挙げて詳しく解説します。
経営課題の診断や分析をする
企業を再生するためには、まず企業の経営課題や経営不振に陥っている原因を診断・分析し、実行支援につなげていくことが重要です。これらをしっかりと分析することができなければ、再生の方向性がぶれてしまい、企業再生が失敗に終わってしまう可能性が高くなります。これらの分析を正確に行うことは、企業再生コンサルの重要な役割といえます。
事業再生計画の策定や実行支援をする
企業の経営課題や経営不振に陥っている原因を診断・分析した後は、事業再生計画の策定や実行支援を行っていきます。事業再生計画とは、洗い出した経営課題や不振の原因をもとに事業面・財務面・組織面などあらゆる方向からの改善案を具体的に記載したものです。この事業再生計画の策定と、具体的な実行支援に落とし込んでいくことは、企業再生コンサルの重要な役割の一つです。
金融機関などに資金調達支援を行う
事業再生計画では、財務面での改善案も提案します。具体的には資金繰りに窮している企業への資金調達支援を行います。銀行からの融資をもらうために事業再生計画を融資担当者にプレゼンし、返済までの計画を立てて融資担当者から融資をしてもらうよう働きかけます。融資をもらうための説明は高度な能力が求められるため、企業再生コンサルの重要な役割の一つとなっています。
債権者などのステークホルダーと交渉を行う
資金繰りに窮している企業は、各債権者への支払いが滞っているケースが多くみられます。財務面の再生のためには、事業再生計画に沿って返済を行うことを条件に、各債権者に債権を減額または支払いを猶予してもらうことが必須です。各債権者との交渉は企業再生コンサルにとって重要な業務です。
計画通りに進んでいるかモニタリングする
事業再生計画に沿って実行が進められているかをモニタリングすることも企業再生コンサルの重要な役割の一つです。計画を立てたものの、計画通りに再生が進まないようであれば計画を立てた意味がありません。計画どおりに進んでいるかを逐一モニタリングし、計画通りに進んでいないのであれば、その原因を分析して修正していく能力も企業再生コンサルに求められます。
企業再生コンサルへの依頼の主な流れ
企業再生コンサルに依頼するためには、「再生コンサルティングファーム」と呼ばれるファームに依頼するのが一般的です。再生コンサルティングファームとしては、PwCやデロイトトーマツなどグローバルに展開するトップファームが有名です。
ファームに直接コンタクトをしても問題はありませんが、知り合いや顧問の会計士や税理士がコネクションを持っていることが多く、コネクションを経由して企業再生コンサルとの打ち合わせを行うこともできます。
企業再生コンサルの費用相場は案件の規模によりさまざま
企業再生コンサルに再生を依頼した場合の費用相場は、再生の規模によって大きく変動します。ここでは、小規模から中規模の会社の企業再生を依頼した場合に発生する費用感をお伝えしますので、参考にしてみてください。
一般的な費用相場は定額報酬型で月額30~100万円程
企業再生コンサルに依頼した場合の一般的な費用相場は、定額報酬型で月額30~100万円程度です。小規模の再生案件であれば月額10万円程度の場合もありますが、一般的にはこの範囲と考えておきましょう。経営不振に陥っている企業にとっては安くない費用ですが、企業再生コンサルは高い専門性を備えた集団であるため、報酬はそれなりに高額となります。再生を検討している企業は継続して費用を捻出できるか検討すべきでしょう。
なお、固定報酬ではなく時間契約型も存在します。時間契約型の場合、1時間あたり5,000~10万円程度が相場です。企業再生コンサルの役職や案件の複雑さによって単位時間あたりの単価は変わってきます。作業量が多い場合高額になる可能性があるため、定額報酬型のほうが安く済むケースもあります。
成果に応じて報酬が発生する成功報酬型も
企業再生コンサルの報酬は、固定報酬型だけではなく、成果に応じて報酬が発生する成功報酬型もあります。成功報酬型には、固定報酬型とのハイブリッド型と、完全成功報酬型の2つがあります。
固定報酬型とのハイブリッドとは、月額の固定報酬を安く設定し、企業再生の成果に応じた成果報酬を最後に支払う方法をいいます。この方法の利点は、月額の固定報酬を安く抑えることができる点です。
完全成功報酬型とは、企業再生の成果が獲得できた場合にのみ成功報酬を支払う方法をいいます。毎月の月額報酬が発生しないため、資金繰りに窮している企業にとっては非常にメリットのある方法といえるでしょう。その代わり、成果が獲得できた場合の成功報酬が通常に比べて割高になるケースが多いため、資金繰りの状況を鑑みた上でいずれの報酬型を選択するかを決定するようにしましょう。
企業再生コンサルの選び方5つのポイント
企業再生コンサルは企業の再生にとって重要な役割を担うため、企業再生コンサル選びは非常に重要です。企業再生コンサルと一言でいっても様々なコンサルが存在しており、コンサル選びに失敗してしまうと再生計画が頓挫してしまう可能性もあります。企業再生コンサルには資格がないため、弁護士や会計士などと違って一定の能力が担保されているわけではありません。名乗るだけなら誰でもできるため、見極めが一層重要になります。
以下では、企業再生コンサル選びに失敗しないための選び方のポイントを5つ紹介します。これらのポイントを見極めた上で適切な企業再生コンサルを選ぶようにしましょう。
過去の成功事例や専門分野を確認する
企業再生コンサルを見極めるための一番のポイントは、その企業再生コンサルの過去の成功事例や専門分野を確認することです。
企業再生コンサルと一口にいっても専門分野はさまざまです。或る専門分野では実績を上げていたとしても、或る専門分野では能力を発揮できないということもあります。まずは自らの企業の再生が得意かどうか、専門分野を確認するようにしましょう。
それと同時に、その企業再生コンサルの過去の成功事例を確認することも重要です。先ほども申し上げたとおり、企業再生コンサルを名乗るだけなら誰でもできるため、過去の実績が一切ないケースもあります。過去にどれだけの成功事例があるかは、企業再生コンサルの能力を見るための重要な指標となります。
過去の成功事例や専門分野については、多くの場合、企業再生コンサルのホームページに掲載されています。依頼する前の打ち合わせにおいて確認することもできます。
自社と同じ業種に精通し解決策を提示できるか
専門分野にも共通することですが、自社と同じ業種に精通しているかどうかも企業再生コンサル選びの重要なポイントの一つです。
企業再生といっても企業の業種はさまざまですから、その企業に合った再生計画も企業ごとに異なります。或る企業ではベストな再生計画であっても、或る企業ではベストではないということもあります。自社と同じ業種に精通しているかどうかは、再生計画を立てる上で不可欠なポイントの一つといえるでしょう。
金融機関や債権者との交渉が得意か
企業再生コンサルは、事業面や財務面に関する幅広い専門知識を有していますが、交渉術も重要なポイントの一つです。
企業再生の過程では、金融機関との資金調達交渉や、各債権者との債権減額・支払い猶予の交渉など交渉が頻繁に発生します。交渉に慣れていないと融資ができなかったり債権が減額できなかったりして再生計画に悪影響を及ぼします。再生計画を立てる能力と同程度以上に交渉能力は重要なのです。
経営者と信頼関係を築いて計画や実行支援ができるか
再生計画に沿って再生を実行していくために、経営者と協力して進めていかなければなりません。ときには経営者を意見が対立する場合もありますし、経営者の痛みを伴う改革を実行する必要もあります。
そういった場合で経営者と信頼関係が築けないと、再生計画をうまく進めることができず頓挫してしまいます。経営者をうまくコミュニケーションを取って信頼関係を築くことができるかも重要なポイントです。経営者の方は、依頼する際に信頼関係が築けそうか確認するようにしましょう。
現場と深く関わって課題解決ができるか
企業再生コンサルは再生計画に沿ってトップダウンに改革を実行するケースが多いため、社長や幹部とのコミュニケーションは必須です。一方で、再生計画に沿って実際に実行するのは現場の担当者です。よって、企業再生コンサルは現場の担当者とも深く関わって課題解決をしていくことも求められます。現場担当者の気持ちを理解し、改革を実行してもらえるように動いてもらう能力が必要です。
経営者とばかり話して現場を軽視する企業再生コンサルは注意すべきでしょう。
まとめ
企業再生コンサルは、企業の再生にとって重要な役割を担う人材です。企業再生コンサルは事業面・財務面・組織面などあらゆる面で幅広い専門知識が求められます。また、理論だけではなく実行力や交渉力も重要です。
企業再生コンサルを選ぶ際は、専門分野の確認だけでなく、過去の実績、打ち合わせの際のコミュニケーション力、実行力なども総合的に考慮して選択するようにしましょう。