売掛金が回収できないときの対処法!中小企業が取引先にできるファクタリング提案

売掛金が回収できないときの対処法!中小企業が取引先にできるファクタリング提案

中小企業(個人事業主やフリーランス含む)にとって、売掛金を期日までに回収できないことは、死活問題になります。

売掛金が期日までに振り込まれないことは、そもそも債務不履行ですが、いくら催促しても売掛先がそれに応えてくれないことも予想されます。こうなってしまうと、手持ちのキャッシュがなくなり、買掛金の支払いや諸経費を期日に支払うことも難しくなってしまいます。

自社の不渡りや倒産の危機にも直結する重大な経営リスクになるので、売掛金回収が遅れている場合、早期に手を打たないといけなくなります。

待っていても状況は改善されません。今回は特に中小企業(個人事業主やフリーランス含む)を対象に売掛金を回収できないときの対処法について説明していきます。

目次

売掛金は早期回収が原則!未入金は早期対応が重要な経営課題

売掛金は期日までの必ず回収するようにしましょう。1回か2回、売掛先のミスで売掛金の回収が遅れることがあるかもしれませんが、毎月数日遅れているのが恒常化すると、それは売掛先のミスではなく、売掛先が意図的に遅らせている(悪意がある)か、売掛先のキャッシュがないかいずれかになります。

後者の場合、売掛先がいつ倒産してしまうかもわかりません。売掛金の回収が数か月にわたって遅れている場合は早急に対応する必要があります。もちろん、現在進行形で売掛金回収期日を過ぎているものがあれば、絶対に対応をしなければ不良債権化してしまい、資産ではなく負債となって経営を圧迫してしまうでしょう。

何とかして、不良債権を作らないことが経営上重要な目的になります。

売掛金の未回収が中小企業にもたらす経営リスクと資金繰りの悪化

売掛金の未回収は中小企業(個人事業主やフリーランス含む)にとって深刻な経営リスクとなります。商品やサービスを提供したにもかかわらず、売上代金が期日までに支払われない場合、事業者は本来得られるはずの資金(キャッシュ)を手にできず、資金繰りに大きな支障をきたします。

特に中小企業はもともと大企業に比べて資金的な余裕が少ないため、一件の売掛金未回収でも経営に与える影響は大きくなります。

手持ち資金が不足すると、仕入れ費用や人件費、家賃、借入金の返済などの支払いが滞る可能性があり、信用の低下や取引停止のリスクが生じます。

また、金融機関からの評価も悪化し、新たな融資による資金調達が難しくなる場合もあります。結果として、健全な事業運営が困難となり、最悪の場合は黒字倒産に至る恐れもあります。

このようなリスクを回避するためには、取引先から契約通り売掛金の支払日に確実な債権回収が求められます。中小企業が安定した資金繰りを保ち、いざと言うときの資金上の「遊び」を確保するためにも未回収リスクへの備えを常に意識した経営が求められます。

放置は危険!売掛金未入金が招く取引停止や倒産連鎖の現実

売掛金の未入金を放置することは、中小企業にとって極めて危険な行為です。売掛金は「資産」に計上しますが、そのまま放置して未回収が続くと不良債権化して「負債」になってしまいます。資産と負債では貸借対照表上の評価が真逆になってしまいます。

売掛金は中小企業(個人事業主やフリーランス含む)にとって予想できる現金収入です。それが回収できない状態が続くと、資金繰りが逼迫し、日々の買掛金や諸経費の支払いに支障をきたします。特に中小企業は資金余力が限られているため、売掛金の未回収が一度でも発生すると、仕入先への買掛金支払いや従業員の給与の遅延など、経営全体に悪影響を及ぼします。

支払いが遅れることで、取引先(買掛先)からの信用を失い、新規取引が打ち切られたり、既存の取引が停止されたりするケースも珍しくありません。

さらに、自社が支払い不能に陥ると、今度は自社の仕入先や外注先にも影響が及び、連鎖的に倒産を引き起こす可能性があります。これは「倒産ドミノ」「連鎖倒産」とも呼ばれ、他社への影響も甚大になります。ここまま業界にいられなくなるかもしれません。

こうした最悪の結果を防ぐためには、売掛金の回収状況を常に把握し、遅延があれば迅速に対応する取り組みが求められます。また、取引開始前に与信管理することや、契約条項の見直し、ファクタリングなどの活用によって日頃から売掛金回収のリスク管理を徹底することが重要です。

売掛金の未回収は単なる「入金の遅れ」ではなく、事業存続にかかわる重大なリスクであることを強く認識して早急な対処が必要になります。

売掛金の回収方法には複数の選択肢があり状況に応じて使い分ける

売掛金を数か月にわたって入金しない、あるいは遅れている場合、何とか売掛金回収を行わないと不良債権化してしまいます。

不良債権は資産ではなく負債であり、経営上の爆弾を抱えてしまいます。そうならないためにも早めに「不発弾処理」をしてください。不発弾処理をしないと、いきなり「不渡り」という形で爆弾が爆発してしまうかもしれません。

支払督促や内容証明など法的手段による回収の基本パターン

売掛金回収の「王道」は法的手段ですが、法的手段を取ればもう今までの関係に戻れません。ビジネスパートナーとしてもはや諦めた場合に法的手段を取ります。そうなる前に、督促や内容証明郵便など非法的解決方法を模索しましょう。

内容証明郵便や簡易裁判所の手続きを使った初動対応

売掛金が期日を過ぎても支払われない場合、支払い遅延が恒常化している場合などは、まずは取引先に対し、電話やメールで丁寧に支払いを促します。

こういう感じです。

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

6月に納品しました代金(7月末までにご入金)につきまして、入金が確認できておりません。

何かのお手違いかとは存じますが、請求書に記載の期日(契約書〇条〇項*)を過ぎております。

請求金額 〇〇〇〇〇〇円

請求書は6月30日にメール(送付手段)にて送付しています(添付参照(メールのスクショやデータ))

大変お手数ですが、ご確認いただきたくよろしくお願い申し上げます。

8月〇日12時までにお振込みいただけると助かります。

なお、行き違いでご送金頂いただいておりました場合には何卒ご容赦ください。

振込先 ○○銀行 △△支店 普通 【口座番号】  口座名

穏便に穏やかに、しかし契約条項に反していますよとプレッシャーを与えます。

それでも支払いがない場合、法的措置を視野に入れた最初の対応として「内容証明郵便」の活用が有効です。内容証明郵便は、いつ・誰が・どのような内容の通知を相手に送ったかを郵便局が証明するもので、債権者の本気度を示し、取引先により強い心理的なプレッシャーを与えることができます。書き方は決まっていて(「内容証明 ご利用の条件等|郵便局」)、文面では、支払期限、未払い金額、今後の対応予定(例:法的措置)などを明確に記載します。

それでも支払いがなければ、「支払督促」の申し立てを簡易裁判所に行えます。これは訴訟よりも簡便かつ費用負担の少ない手続きで、裁判所を通じて正式に請求を伝える方法です。

相手が異議を申し立てなければ、確定判決と同様の効力を持ち、強制執行も可能になります。異議が出た場合は通常の民事訴訟へ移行しますが、裁判はあくまで最終手段です。

回収代行サービスや弁護士による請求は費用対効果を見極める

法的手段、つまり弁護士を介した売掛金回収は最終手段で、もうこれで関係はおしまいです。民間の回収代行サービスもありますが、弁護士ではない人が行えば「非弁行為」で違法です。例外的に法務大臣が認めた「債権回収会社」(サービサー)が特定金銭債権に該当するものに限って回収代行できます。

売掛金は特定金銭債権に含まれます。しかし、回収代行サービス「債権管理回収業に関する特別措置法」(サービサー法)に則って業務を行う必要があり、弁護士ほど臨機応変に動けません。

では弁護士に依頼すれば良いのでしょうか?実は売掛金が60万円までなら、弁護士不要で1回で解決する「少額訴訟」という制度を利用できます。これも簡易ではありますが、立派な裁判で裁判官が判決を下します。みなさまに落ち度がなければ、これで解決するはずです。

売掛金額が60万円以上の場合や、少額訴訟は不安でできないという場合、弁護士に依頼して正式な裁判を起こします。

弁護士費用や成功報酬の相場と利用判断のポイント

弁護士費用や成功報酬の相場と利用判断のポイントを説明したイラスト

売掛金の回収を弁護士に依頼する場合、費用と費用対効果を慎重に見極めることが重要です。まず、弁護士費用には「着手金」「成功報酬」「実費(切手代・印紙代など)」があります。

着手金は依頼時に発生し、10万円~30万円程度(最低金額あり:10万円程度)が相場です。たとえば成功報酬は回収額に応じて支払うもので、回収できた金額の10〜20%が一般的です。

つまり100万円の売掛金回収を弁護士に依頼してうまくいっても20万円~40万円が弁護士報酬になります。

これに加え、内容証明郵便の作成費用、切手代もかかりますし、裁判の法定費用(印紙)も発生します。結果的に100万円の売掛金回収なのに30万円~50万円かかります。

訴訟になった場合、裁判所への出廷や証拠準備なども必要で時間もかかるため、コスパが悪すぎです。弁護士への依頼は「請求額が大きい」「相手との交渉が困難」「自力での対応が限界」といったケースに限ることになります。

売掛金額が60万円までなら「少額訴訟」を利用できます。少額訴訟なら弁護士費用不要で、法定費用が最大1万円程度なので、十分やってみる価値はありそうです。

少額の売掛金で少額訴訟をできない場合、弁護士費用だけで回収額を上回る恐れがあり、実際に法的手段ができません。

売掛金回収前に相手がすでに倒産しているようなケースでは、すでに財産差押えが行われ、回収できず費用倒れになる可能性もあるため慎重な判断が求められます。

まずは無料相談などで弁護士に状況を伝え、費用対効果を明確にした上で法的手段の可否を検討してください。

取引継続を望むなら“対立を避けた”ファクタリング提案が現実的

正式な裁判、あるいは少額訴訟でも法的手段に出れば、もはやこれまでの関係を維持できません。内容証明郵便でギリギリでしょうか。

引き続き可能ならば取引を続けたい、しかし売掛金未回収では困るという場合、ファクタリングによって、ファクタリング会社に手数料を支払い、売掛金の80%~90%を資金化し、未回収リスクをファクタリング会社に移すというのが現実的な選択肢になります。

取引先へのファクタリング提案は双方の資金繰りを守る選択肢となる

ファクタリングによって回収不能リスクを回避することは有効な選択肢となりそうです。問題はファクタリングすることを取引先に伝えても良いか、それとも内密に進めるべきかです。売掛金の回収が危ぶまれるケースでは、あえて「当社はファクタリングして資金を前倒しで入手します」と伝える方法もあります。

そうすることで債権者(みなさま)と債務者(売掛先、取引先)双方を守る選択肢になるかもしれません。

売掛金の早期資金化を実現するファクタリングの仕組みとは?

まずファクタリングについて簡単に解説します。ファクタリングは売掛債権の譲渡です。

たとえば、ある事業者が商品を掛売で販売し、100万円の売掛金が発生したとします。契約上、月末締め・翌月末払いの条件だった場合、4月16日に発生した「売上」は4月30日締めで売掛金になり、支払期日である5月31日に取引先(売掛先)から振り込まれる予定です。

しかし、ファクタリングを利用すれば、この支払いを待つことなく、たとえば5月10日時点で「5月31日に振り込まれる予定の100万円分の売掛金」をファクタリング会社に譲渡し、現金化することが可能です。このとき、仮に10万円の手数料が発生した場合、実際に受け取れる金額は90万円になります。

このように、期日前に売掛債権を現金化する仕組みは、手形割引と似た面がありますが、大きな違いは「紙の手形実物がいらない」点です。請求書という形で売掛債権の存在が確認できるため、審査も比較的スムーズに進みます。そのため、消費者金融などよりも早く、迅速に資金調達できるのが大きな特徴です。

即日資金調達の可能性や個人やフリーランスでも利用できる

ファクタリングは融資ではないので、銀行法や貸金業法の適用、規制を受けません。民法上の債権譲渡行為なので、民法の大原則である「当事者間の自由な意思表示」によって契約可能です。

債権者とファクタリング会社で同意できれば、即日ファクタリングできます。民法の契約は口頭の同意でも成立するくらいなので(実際には契約書を取り交わしますが)、簡易な審査で迅速に入金まで進みます。

法人だけではなく、個人事業主やフリーランスも利用できます。しかし、会社員など給与所得者の給料は「給料ファクタリング」と呼ばれ、最高裁判決で禁止されました。給料ファクタリングを提案するファクタリング会社があれば悪徳業者なのでかからわないようにしてください。

2社間・3社間ファクタリングの違いと提案時の使い分け

2社間・3社間ファクタリングの違いと提案時の使い分けを解説したイラスト

ファクタリングには大きく分けて2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。それぞれの違いは以下になります。

項目2社間ファクタリング3社間ファクタリング
手数料高い(10%~20%)低い(1%~9%)
審査の基準やや厳しい緩い
売掛先への通知されない、バレないされる、バレる
売掛金の回収申込み人が振り込むファクタリング会社が売掛先から回収する
迅速性速いやや時間がかかる
債権譲渡登記業者に求められれば必要「第三者対抗要件」を通知する場合に必要

売掛先にバレないのが2社間ファクタリング、バレるのが3社間ファクタリングになります。2社間ファクタリングはバレませんが手数料が高く、3社間ファクタリングは売掛先の知るところとなりますが手数料が安くなります。

取引先のことを考えてあえてファクタリングの事実を伝え、それでも取引継続の意思を伝えることで、売掛金の支払いが遅れていることを自覚している売掛先はホッとするでしょう。

支払能力が一時的に落ちた取引先に「提案型支援」として使える選択肢

支払い能力が落ちてしまった売掛先に対して、「自社のリスクヘッジのために3社間ファクタリングします」と伝えることで、間接的に「提案型支援」となります。いきなり債務不履行や債権回収で訴訟することはありません、と言外に伝えられます。

ファクタリングによって何かあっても買掛先(債権者)が不良債権をつかまされることがなくなります。3社間ファクタリングではなく「保証ファクタリング」という「支払い不能保険」に近い仕組みもあり、債権者と債務者双方が経営状態が芳しくない中でも、大きな訴訟リスクなくこれまでの関係を維持できる妥協点になり得ます。

実際にファクタリングするかどうかは別にして、取引先に提案できるファクタリングという選択肢をぜひ押さえておいてください。

取引先に提案できるおすすめのファクタリング業者3選

ファクタリングは取引先に内緒で(バレずに)できる2社間ファクタリングと、取引先の同意が必要な3社間ファクタリングに分けられます。通常、3社間ファクタリングがバレると、取引先の心証は悪くなりますが(金策に困っているからファクタリングに手を出した)、取引先に問題があり「提案型支援」を行う場合、ファクタリングによってみなさまがリスクヘッジすることをわかってもらえるはずです。

3社間ファクタリングであれば、みなさま(債権者)が支払う手数料も、2社間ファクタリングと比較して抑えられます。双方が納得できるリスクヘッジとして3社間ファクタリングは有効で、特に以下のファクタリング会社は口コミ評価や業界内の評判も良く、取引先も納得できるはずです。

それぞれ順に解説します。

PMGは最短即日での入金や最大2億円までの事業資金をサポート

PMG
審査通過率非公開
手数料1%~
入金速度最短即日、2時間以内
買取可能額50万円~2億円
契約方法2社間ファクタリング、3社間ファクタリング
必要書類請求書、通帳コピー、決算書
利用対象者法人、個人事業主・フリーランス
運営会社ピーエムジー株式会社

PMGでは、会社としてプライバシー保護に関する第三者認証を取得しており、顧客情報の管理体制が徹底されています。そのため、2社間ファクタリングの利用に際しても、取引先に知られるリスクは極めて低いと言えます。3社間ファクタリングもしっかりと売掛先に連絡し同意を取り付けます。

また、コンプライアンスを重視し、透明性のある運営方針のもとでサービスを提供しており、安心して利用できるファクタリング会社として高い評価を得ています。

買取率(掛け目、審査通過率ではない)は平均98%と業界でも高水準を誇り、実際の入金額が【売掛債権額面-手数料】にほぼ等しいため、資金繰りの計画が立てやすいのが魅力です。ファクタリングの利用が初めての方でも、安心してPMGを利用できます。

全国主要都市に10の支店を構えており、東京・大阪・名古屋・横浜など、いずれも駅からアクセスしやすい立地にあります。

さらに、他社にはない特徴として、補助金や助成金に関する申請サポートも行っており、ファクタリング以外の資金調達に関するサポートも含めた幅広い支援を提供しています。

PMGの公式サイトはこちら

株式会社No.1は最短30分での入金と業界最低水準の手数料1%〜が魅力

株式会社No.1
審査通過率90%以上
手数料1%~15%
入金速度最短即日、30分
買取可能額50万円~5000万円
契約方法2社間ファクタリング、3社間ファクタリング
必要書類請求書、通帳コピー、契約書、決算書2期分
利用対象者法人、個人事業主・フリーランス
運営会社株式会社No.1

株式会社No.1は、東京・池袋に本社を持ち、名古屋や博多などにも支店を展開している歴史あるファクタリング企業です。オンラインファクタリングが可能なので、地域を問わず全国どこからでも利用できます。

株式会社No.1は、業界内での評判や利用者からの口コミ評価が高く、特に個人事業主やフリーランス向けのサービスが充実しています。他社で対応が難しいケースでも、柔軟に対応してくれる点が支持されています。建設関連の事業者向けには、業種特化型のファクタリングメニューも用意されており、工事代金の早期資金化にも役立ちます。

特徴的なのは「イージーファクター」と呼ばれる独自のシステムで、2社間ファクタリング限定のサービスですが、最短30分で資金まで進みます。

さらに、一定の売掛金(高額の売掛債権)がある場合には、スタッフが訪問してその場で現金を渡す「出張買取」サービスも利用できます。その場合、必要書類のデータ化も不要です。

手数料最少1%~ファクタリングできるので、売掛金回収が遅れている場合のダメージも最小限に抑えられるでしょう。

株式会社No.1の公式サイトはこちら

QuQuMoは最短2時間・完全オンライン完結&手数料は1%〜

QuQuMo
審査通過率非公開
手数料1%~
入金速度最短即日、2時間
買取可能額上限なし、下限なし
契約方法2社間ファクタリング(のみ)
必要書類請求書、通帳コピー
利用対象者法人、個人事業主・フリーランス
運営会社株式会社アクティブサポート

QuQuMoは、オンライン手続き(オンラインファクタリング)に特化したファクタリングサービスです。申込みからファクタリング代金の振込までが非常に早く、条件が整えば当日中の入金も可能です。

手続きに必要なのは、請求書と取引口座の通帳コピーのみで他のファクタリング会社より少ないです。書類が少ないため、審査から入金までが短時間で完了し、最短2時間以内に資金を受け取れることもあります。オンライオン専業なので、サービスの利用にはネット環境が必要となりますが、その分どこからでも申請できる利便性があります。

また、償還請求権のないノンリコース契約のファクタリングで売掛先の支払いが滞った場合でも、返済義務が生じないのが大きな特徴です。今回のように売掛先からの回収リスクがある場合にぴったりです。また、債権譲渡登記が不要な点も、より簡単な手続きにしています。

少額の債権でも対応可能で、個人事業主やフリーランスの方も問題なく利用できます。専用のオンラインフォームに必要事項を入力し、書類をアップロードするだけで申込みが完了します。ファクタリングの利用が初めての方でも安心して使えるシステムで、事業歴の長短を問わず幅広く活用できます。

事前に請求書や通帳をPDFで準備しておくと速やかにファクタリングできます。

QuQuMoの公式サイトはこちら

ファクタリング導入の流れと提案時に押さえておくべきポイント

ファクタリングは、債権者(事業者)が急な資金調達の必要性に迫られ、融資では間に合わない、あるいは融資をこれ以上受けられない状況の中で行うだけでなく、売掛先の経営状態にリスクや疑問があり、このままだと期日に売掛金回収できない、売掛金回収が遅れる可能性があるため、多少手数料を支払っても、80%~90%を回収する方法です。

売掛先が倒産して回収できない(0%)よりも、80%~90%回収できた方がマシ、という考え方に基づいてファクタリングを利用します。

中小企業が取引先にファクタリングを提案する際の流れ

中小企業が資金繰り改善の手段だけなく、今回のように売掛金未回収リスクへの対応としてファクタリングを活用する際、取引先にその旨を提案する場合際には、大前提として丁寧な説明と信頼関係の維維持を目的とします。いくら売掛先が倒産しそうだとうわさがあっても、こちらから関係を壊すことは必要ありません。

ファクタリングには、取引先に通知される「3社間ファクタリング」と通知されない「2社間ファクタリング」がありますが、ここでは「提案型支援」として3社間ファクタリングを利用する前提での提案の流れを説明します。

まず初めに、自社の経営状況や資金繰りの課題を整理し、なぜファクタリングが必要なのかを明確にすることが大切です。これにより、取引先も納得できる説明ができるようになります。

次に、利用を検討しているファクタリング会社を選定し、契約条件や手数料、対応スピードなどを確認します。事前にサービス内容を把握しておくことで、取引先への説明も具体的になります。

その上で、取引先に対し、ファクタリングの仕組みや手続き内容、負担の有無について丁寧に伝えます。特に「取引先に新たな金銭的負担は発生しない」「売掛債権の譲渡手続きのみで、これまで通りの取引条件は変わらない」といった点を強調すると、理解を得やすくなります。

説明の際は、ファクタリングが一時的な資金確保の手段であり、今後の取引関係を円滑に継続していくためのやむを得ない選択であることを誠実に伝える姿勢も大切です。「取引先からの売掛金回収が滞っている」と真正面から伝えず、それなりに「ぼかす」テクニックも必要です。

取引先との信頼を損なわないよう、できれば事前に対面で先方代表者に説明してください。遠方の場合はZOOMなどを用いて少なくとも顔が見える説明にしましょう。

最終的に取引先の同意が得られたら、ファクタリング会社を通じて正式な契約手続きに進みます。ファクタリングによる売掛金回収のリスクヘッジには、取引先と自社の双方が安心できるクリアな対応と、双方の関係を損なわないコミュニケーション(仁義)も必要です。

提案時に誤解を与えないための伝え方とよくある懸念への対応策

3社間ファクタリングを取引先に提案する際は、誤解や不信感を与えないよう、伝え方に十分配慮する必要があります。

まず、ファクタリングは「売掛金の早期回収手段」であり、「借金ではない」ことを明確に伝えてください。債権譲渡として民法の条文にも書かれている合法で健全な方法であることを強調します。

また、「取引先に新たな負担が発生しない」点も丁寧に説明しましょう。支払期日や金額に変更はなく、通常通りの振込先がファクタリング会社に変わるだけであることを伝えると、相手の不安を軽減できます。ここで取引先に「支払期日通りに」というニュアンスを伝えられます。勘の良い売掛先なら、「自分の支払いが遅いから」と気付くかもしれません。

よくある懸念として、「債権者の経営状態が悪く融資も受けられないので、倒産の予兆ではないか」「支払先が変わるのは債権者に問題があるのでは」というものがあります。

原因は取引先にあるのですが、それを言うと関係が悪化するので、ファクタリングによって資金の流れを安定させ、より円滑に取引を継続するための選択肢であること、また一時的なキャッシュフロー改善のための経営テクニックであると説明すると効果的です。

誠実な態度で、今後の取引継続に前向きであることを伝えることも、信頼維持につながります。できれば対面で誠意が伝わるように説明してください。

審査に落ちたときの代替回収プラン!取引先の債権を活用

売掛先からの売掛金未回収リスク回避のため、ファクタリングを用いて未回収リスクをファクタリング会社に引き受けてもらうことを説明しましたが、ファクタリング会社もそのようなリスクを引き受けたくないとして、審査で落とす可能性があります。

みなさま(債権者)が売掛先に持っている売掛債権はファクタリング会社も引き受けられない「不良債権予備軍」という位置付けになってしまいます。こうなると、みなさまがファクタリングによって、売掛先からの未回収リスクをヘッジする方法がなくなり、いつ爆発するかわからない売掛債権を持ち続けることになってしまいます。

ファクタリング会社にも買取拒否される「不良債権予備軍」をそのまま放置できません。中小企業的にはその売掛先との取引を減らし辞める方向が正しいのですが、短期的にできる最終手段としてこのような方法があります。

【A:債権者(みなさま) B:売掛先、債務者 C:Bの売掛先】とします。

AのBに対する売掛債権のファクタリングが断られた状態です。そこでAは、Bが他社に売掛金(たとえばCに対する債権)を持っていないかを確認します。

BがCに対する売掛債権を保有していたため、Aは「その債権を使ってファクタリングをしてみてはどうか」とお願いします。Bがお願いを引き受けてCに対する売掛債権でファクタリングを行い現金化した後、そのお金をAに支払う流れになります。

BのCに対する売掛債権はBの資産ですので、Aに処分権はありません。また法的にもAがBに強制できるものではないため、お願いベースになります。他人(A)から「あなたの財産を処分して自分に支払って」と言われることにBは良い思いはしないはずですが、Aへの支払いが遅れている、できない中では(しぶしぶ)受け入れる可能性はあります。

法的手段よりはBが受ける衝撃は低いですが、これまでの関係は維持できないかもしれません。法的手段よりはマシだが強い圧力になるとご認識ください。またお願いの方法や言い方次第では、脅迫と取られる可能性もあります。

「こういう方法もあるのか」と知っていただき、実行の可否は十分検討してください。リスクを感じるならば最初から法的手段を検討しても良いです。

売掛金未回収リスクは予防が重要!日頃の与信管理と契約の工夫を

売掛金の未回収リスクはファクタリングである程度回避できますが、あくまで対症療法の1つになります。みなさまにおかれましては、根本的に支払い遅延、支払い不能になる事業者を売掛先にしないことが大切です。ファクタリング以外の売掛金未回収リスクの下げ方について簡単に紹介します。

与信審査や支払いサイト管理で未回収リスクを下げる工夫

掛売の契約取り交わす前に「与信審査」(信用情報調査)を行い、取引して良いか判断します。金融機関やカード会社が使う信用情報機関については、我々は利用できないので、民間の信用調査会社を利用します。お金がかかりますが、売掛金回収不能になるよりもマシです。

また、売掛金の支払いサイト(〇日締め~△日払いまでの期間)については短めに設定することをおすすめします。

契約書や発注書に盛り込むべき条項とその注意点

契約書や発注書には支払い不能になるリスクを減らすための条項を盛り込んでください。

【支払条件(支払サイト)】

  • 例文:本件代金は、納品月の末日締め、翌月末日までに支払うものとする。

絶対に記載しなければならない事項です。支払日があいまいだと入金の遅延や「払った、払わない」の原因になります。明確な日付あるいは「支払いサイト〇日」と記載します。

【請求書の提出方法・期日】

  • 例文:請求書は納品完了後〇営業日以内(あるいは毎月〇日までに)にメール(チャットワークなども可)にて提出するものとする。

メールやチャットワーク、Slackなど業務用チャットの電子方式、あるいは紙の請求書を郵送するか定めておきます。メールは証拠が残りますが、チャットは送った画面をスクショして画像で保存しておくことで「確かに請求書を送りました」という証明になります。

【売掛金の譲渡禁止特約条項の有無(盛り込むかどうか)】

  • 例文(譲渡を禁止する条文):本契約に基づく債権は、相手方の事前承諾なく第三者に譲渡してはならない。

ファクタリングを行う場合、この条項があると利用できないので、譲渡禁止を外すか、「事前承諾があれば譲渡可能」とする緩和条項を入れるか。ただし、2020年の民法(債権法)改正で債権譲渡禁止特約があっても譲渡できるように定められました。

ならば特約は無意味では?と思われますが、3社間ファクタリングで債務者が同意しない場合、かつ債権譲渡禁止特約がある場合、原則ファクタリングできません。3社間ファクタリングで債権譲渡通知を行うのはそのためです。悪徳業者への譲渡も譲渡禁止特約で排除できます。

【遅延損害金】

  • 例文:支払期日を過ぎた場合、年14.6%の割合で遅延損害金を請求できるものとする。

売掛金回収不能未払いリスクへの備えとして明記しておくことで、債務者(売掛先)への心理的な抑止力にもなります。なお、遅延損害金を書かなくても遅延損害金は発生しますが、その場合法定金利(3%)になります。また利息制限法を超えた遅延損害金の設定は無効になります。つまり、年利20%が上限になります。

【 支払い遅延時の対応】

  • 例文:支払遅延が14日を超過した場合、甲は乙に対し、内容証明郵便による通知を行うことができ、通知日以降に発生する法的費用および弁護士費用についても乙の負担とする。上記に基づき、甲が訴訟その他法的手続きを行う場合、乙はこれに異議なく応じるものとする。
  • 本契約に関する一切の紛争は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所する。

支払い遅延時、あるいはトラブルが起きた際の対処法について記載します。具体的にこのように書いておけば対処法もすぐ決まります。管轄裁判所を決めるのはお互いに近いところならば良いのですが、東京の債権者が鹿児島の売掛先との係争について、福岡地方裁判所を管轄としていた場合、福岡まで出向かねければならなくなるかもしれません。

合意管轄裁判所を定めない場合は、相手方の所在地を管轄する裁判所に訴訟を提起するのが原則なので、福岡まで出向く必要があります。なるべく近い取引先と契約した方がいざと言うときのコストを減らせます。

遅延損害金や支払遅延時の対応条項の書き方

上の例文で示したように書きます。

契約書に遅延損害金に関する条項を書くには、「債務者(乙)」が「債権者(甲)」に対して、遅延損害金を支払う旨を定めます。甲乙は逆にしても構いません。

【遅延損害金の書き方の例】

  • 乙は甲に対し、本契約に定める金銭債務の支払いを怠ったときは、支払日の翌日から支払い済みまで年○パーセントの割合による遅延損害金を支払う。※〇%は利息制限法の範囲内

【支払遅延時の対応条項の書き方の例】

上記の法的措置に関するものの他、不可抗力によって支払えない、納品できない場合の条項もあります。

  • 甲及び乙は、天災事変、戦争、暴動、内乱、同盟罷業、争議行動その他不可抗力により本契約の全部又は一部の履行の遅延又は不能が生じた場合は甲及び乙は共にその責を負わないものとする。

支払い遅延になった理由が天災や不可抗力の場合、弁護士を使って債権回収するのはどうなのか、ということでこの条項を盛り込みます。

売掛金が回収できないときの対処法!中小企業が取引先にできるファクタリング提案

売掛金が回収できないときの対処法!中小企業が取引先にできるファクタリング提案

中小企業(個人事業主やフリーランス含む)にとって、売掛金を期日までに回収できないことは、死活問題になります。

売掛金が期日までに振り込まれないことは、そもそも債務不履行ですが、いくら催促しても売掛先がそれに応えてくれないことも予想されます。こうなってしまうと、手持ちのキャッシュがなくなり、買掛金の支払いや諸経費を期日に支払うことも難しくなってしまいます。

自社の不渡りや倒産の危機にも直結する重大な経営リスクになるので、売掛金回収が遅れている場合、早期に手を打たないといけなくなります。

待っていても状況は改善されません。今回は特に中小企業(個人事業主やフリーランス含む)を対象に売掛金を回収できないときの対処法について説明していきます。

目次

売掛金は早期回収が原則!未入金は早期対応が重要な経営課題

売掛金は期日までの必ず回収するようにしましょう。1回か2回、売掛先のミスで売掛金の回収が遅れることがあるかもしれませんが、毎月数日遅れているのが恒常化すると、それは売掛先のミスではなく、売掛先が意図的に遅らせている(悪意がある)か、売掛先のキャッシュがないかいずれかになります。

後者の場合、売掛先がいつ倒産してしまうかもわかりません。売掛金の回収が数か月にわたって遅れている場合は早急に対応する必要があります。もちろん、現在進行形で売掛金回収期日を過ぎているものがあれば、絶対に対応をしなければ不良債権化してしまい、資産ではなく負債となって経営を圧迫してしまうでしょう。

何とかして、不良債権を作らないことが経営上重要な目的になります。

売掛金の未回収が中小企業にもたらす経営リスクと資金繰りの悪化

売掛金の未回収は中小企業(個人事業主やフリーランス含む)にとって深刻な経営リスクとなります。商品やサービスを提供したにもかかわらず、売上代金が期日までに支払われない場合、事業者は本来得られるはずの資金(キャッシュ)を手にできず、資金繰りに大きな支障をきたします。

特に中小企業はもともと大企業に比べて資金的な余裕が少ないため、一件の売掛金未回収でも経営に与える影響は大きくなります。

手持ち資金が不足すると、仕入れ費用や人件費、家賃、借入金の返済などの支払いが滞る可能性があり、信用の低下や取引停止のリスクが生じます。

また、金融機関からの評価も悪化し、新たな融資による資金調達が難しくなる場合もあります。結果として、健全な事業運営が困難となり、最悪の場合は黒字倒産に至る恐れもあります。

このようなリスクを回避するためには、取引先から契約通り売掛金の支払日に確実な債権回収が求められます。中小企業が安定した資金繰りを保ち、いざと言うときの資金上の「遊び」を確保するためにも未回収リスクへの備えを常に意識した経営が求められます。

放置は危険!売掛金未入金が招く取引停止や倒産連鎖の現実

売掛金の未入金を放置することは、中小企業にとって極めて危険な行為です。売掛金は「資産」に計上しますが、そのまま放置して未回収が続くと不良債権化して「負債」になってしまいます。資産と負債では貸借対照表上の評価が真逆になってしまいます。

売掛金は中小企業(個人事業主やフリーランス含む)にとって予想できる現金収入です。それが回収できない状態が続くと、資金繰りが逼迫し、日々の買掛金や諸経費の支払いに支障をきたします。特に中小企業は資金余力が限られているため、売掛金の未回収が一度でも発生すると、仕入先への買掛金支払いや従業員の給与の遅延など、経営全体に悪影響を及ぼします。

支払いが遅れることで、取引先(買掛先)からの信用を失い、新規取引が打ち切られたり、既存の取引が停止されたりするケースも珍しくありません。

さらに、自社が支払い不能に陥ると、今度は自社の仕入先や外注先にも影響が及び、連鎖的に倒産を引き起こす可能性があります。これは「倒産ドミノ」「連鎖倒産」とも呼ばれ、他社への影響も甚大になります。ここまま業界にいられなくなるかもしれません。

こうした最悪の結果を防ぐためには、売掛金の回収状況を常に把握し、遅延があれば迅速に対応する取り組みが求められます。また、取引開始前に与信管理することや、契約条項の見直し、ファクタリングなどの活用によって日頃から売掛金回収のリスク管理を徹底することが重要です。

売掛金の未回収は単なる「入金の遅れ」ではなく、事業存続にかかわる重大なリスクであることを強く認識して早急な対処が必要になります。

売掛金の回収方法には複数の選択肢があり状況に応じて使い分ける

売掛金を数か月にわたって入金しない、あるいは遅れている場合、何とか売掛金回収を行わないと不良債権化してしまいます。

不良債権は資産ではなく負債であり、経営上の爆弾を抱えてしまいます。そうならないためにも早めに「不発弾処理」をしてください。不発弾処理をしないと、いきなり「不渡り」という形で爆弾が爆発してしまうかもしれません。

支払督促や内容証明など法的手段による回収の基本パターン

売掛金回収の「王道」は法的手段ですが、法的手段を取ればもう今までの関係に戻れません。ビジネスパートナーとしてもはや諦めた場合に法的手段を取ります。そうなる前に、督促や内容証明郵便など非法的解決方法を模索しましょう。

内容証明郵便や簡易裁判所の手続きを使った初動対応

売掛金が期日を過ぎても支払われない場合、支払い遅延が恒常化している場合などは、まずは取引先に対し、電話やメールで丁寧に支払いを促します。

こういう感じです。

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

6月に納品しました代金(7月末までにご入金)につきまして、入金が確認できておりません。

何かのお手違いかとは存じますが、請求書に記載の期日(契約書〇条〇項*)を過ぎております。

請求金額 〇〇〇〇〇〇円

請求書は6月30日にメール(送付手段)にて送付しています(添付参照(メールのスクショやデータ))

大変お手数ですが、ご確認いただきたくよろしくお願い申し上げます。

8月〇日12時までにお振込みいただけると助かります。

なお、行き違いでご送金頂いただいておりました場合には何卒ご容赦ください。

振込先 ○○銀行 △△支店 普通 【口座番号】  口座名

穏便に穏やかに、しかし契約条項に反していますよとプレッシャーを与えます。

それでも支払いがない場合、法的措置を視野に入れた最初の対応として「内容証明郵便」の活用が有効です。内容証明郵便は、いつ・誰が・どのような内容の通知を相手に送ったかを郵便局が証明するもので、債権者の本気度を示し、取引先により強い心理的なプレッシャーを与えることができます。書き方は決まっていて(「内容証明 ご利用の条件等|郵便局」)、文面では、支払期限、未払い金額、今後の対応予定(例:法的措置)などを明確に記載します。

それでも支払いがなければ、「支払督促」の申し立てを簡易裁判所に行えます。これは訴訟よりも簡便かつ費用負担の少ない手続きで、裁判所を通じて正式に請求を伝える方法です。

相手が異議を申し立てなければ、確定判決と同様の効力を持ち、強制執行も可能になります。異議が出た場合は通常の民事訴訟へ移行しますが、裁判はあくまで最終手段です。

回収代行サービスや弁護士による請求は費用対効果を見極める

法的手段、つまり弁護士を介した売掛金回収は最終手段で、もうこれで関係はおしまいです。民間の回収代行サービスもありますが、弁護士ではない人が行えば「非弁行為」で違法です。例外的に法務大臣が認めた「債権回収会社」(サービサー)が特定金銭債権に該当するものに限って回収代行できます。

売掛金は特定金銭債権に含まれます。しかし、回収代行サービス「債権管理回収業に関する特別措置法」(サービサー法)に則って業務を行う必要があり、弁護士ほど臨機応変に動けません。

では弁護士に依頼すれば良いのでしょうか?実は売掛金が60万円までなら、弁護士不要で1回で解決する「少額訴訟」という制度を利用できます。これも簡易ではありますが、立派な裁判で裁判官が判決を下します。みなさまに落ち度がなければ、これで解決するはずです。

売掛金額が60万円以上の場合や、少額訴訟は不安でできないという場合、弁護士に依頼して正式な裁判を起こします。

弁護士費用や成功報酬の相場と利用判断のポイント

弁護士費用や成功報酬の相場と利用判断のポイントを説明したイラスト

売掛金の回収を弁護士に依頼する場合、費用と費用対効果を慎重に見極めることが重要です。まず、弁護士費用には「着手金」「成功報酬」「実費(切手代・印紙代など)」があります。

着手金は依頼時に発生し、10万円~30万円程度(最低金額あり:10万円程度)が相場です。たとえば成功報酬は回収額に応じて支払うもので、回収できた金額の10〜20%が一般的です。

つまり100万円の売掛金回収を弁護士に依頼してうまくいっても20万円~40万円が弁護士報酬になります。

これに加え、内容証明郵便の作成費用、切手代もかかりますし、裁判の法定費用(印紙)も発生します。結果的に100万円の売掛金回収なのに30万円~50万円かかります。

訴訟になった場合、裁判所への出廷や証拠準備なども必要で時間もかかるため、コスパが悪すぎです。弁護士への依頼は「請求額が大きい」「相手との交渉が困難」「自力での対応が限界」といったケースに限ることになります。

売掛金額が60万円までなら「少額訴訟」を利用できます。少額訴訟なら弁護士費用不要で、法定費用が最大1万円程度なので、十分やってみる価値はありそうです。

少額の売掛金で少額訴訟をできない場合、弁護士費用だけで回収額を上回る恐れがあり、実際に法的手段ができません。

売掛金回収前に相手がすでに倒産しているようなケースでは、すでに財産差押えが行われ、回収できず費用倒れになる可能性もあるため慎重な判断が求められます。

まずは無料相談などで弁護士に状況を伝え、費用対効果を明確にした上で法的手段の可否を検討してください。

取引継続を望むなら“対立を避けた”ファクタリング提案が現実的

正式な裁判、あるいは少額訴訟でも法的手段に出れば、もはやこれまでの関係を維持できません。内容証明郵便でギリギリでしょうか。

引き続き可能ならば取引を続けたい、しかし売掛金未回収では困るという場合、ファクタリングによって、ファクタリング会社に手数料を支払い、売掛金の80%~90%を資金化し、未回収リスクをファクタリング会社に移すというのが現実的な選択肢になります。

取引先へのファクタリング提案は双方の資金繰りを守る選択肢となる

ファクタリングによって回収不能リスクを回避することは有効な選択肢となりそうです。問題はファクタリングすることを取引先に伝えても良いか、それとも内密に進めるべきかです。売掛金の回収が危ぶまれるケースでは、あえて「当社はファクタリングして資金を前倒しで入手します」と伝える方法もあります。

そうすることで債権者(みなさま)と債務者(売掛先、取引先)双方を守る選択肢になるかもしれません。

売掛金の早期資金化を実現するファクタリングの仕組みとは?

まずファクタリングについて簡単に解説します。ファクタリングは売掛債権の譲渡です。

たとえば、ある事業者が商品を掛売で販売し、100万円の売掛金が発生したとします。契約上、月末締め・翌月末払いの条件だった場合、4月16日に発生した「売上」は4月30日締めで売掛金になり、支払期日である5月31日に取引先(売掛先)から振り込まれる予定です。

しかし、ファクタリングを利用すれば、この支払いを待つことなく、たとえば5月10日時点で「5月31日に振り込まれる予定の100万円分の売掛金」をファクタリング会社に譲渡し、現金化することが可能です。このとき、仮に10万円の手数料が発生した場合、実際に受け取れる金額は90万円になります。

このように、期日前に売掛債権を現金化する仕組みは、手形割引と似た面がありますが、大きな違いは「紙の手形実物がいらない」点です。請求書という形で売掛債権の存在が確認できるため、審査も比較的スムーズに進みます。そのため、消費者金融などよりも早く、迅速に資金調達できるのが大きな特徴です。

即日資金調達の可能性や個人やフリーランスでも利用できる

ファクタリングは融資ではないので、銀行法や貸金業法の適用、規制を受けません。民法上の債権譲渡行為なので、民法の大原則である「当事者間の自由な意思表示」によって契約可能です。

債権者とファクタリング会社で同意できれば、即日ファクタリングできます。民法の契約は口頭の同意でも成立するくらいなので(実際には契約書を取り交わしますが)、簡易な審査で迅速に入金まで進みます。

法人だけではなく、個人事業主やフリーランスも利用できます。しかし、会社員など給与所得者の給料は「給料ファクタリング」と呼ばれ、最高裁判決で禁止されました。給料ファクタリングを提案するファクタリング会社があれば悪徳業者なのでかからわないようにしてください。

2社間・3社間ファクタリングの違いと提案時の使い分け

2社間・3社間ファクタリングの違いと提案時の使い分けを解説したイラスト

ファクタリングには大きく分けて2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。それぞれの違いは以下になります。

項目2社間ファクタリング3社間ファクタリング
手数料高い(10%~20%)低い(1%~9%)
審査の基準やや厳しい緩い
売掛先への通知されない、バレないされる、バレる
売掛金の回収申込み人が振り込むファクタリング会社が売掛先から回収する
迅速性速いやや時間がかかる
債権譲渡登記業者に求められれば必要「第三者対抗要件」を通知する場合に必要

売掛先にバレないのが2社間ファクタリング、バレるのが3社間ファクタリングになります。2社間ファクタリングはバレませんが手数料が高く、3社間ファクタリングは売掛先の知るところとなりますが手数料が安くなります。

取引先のことを考えてあえてファクタリングの事実を伝え、それでも取引継続の意思を伝えることで、売掛金の支払いが遅れていることを自覚している売掛先はホッとするでしょう。

支払能力が一時的に落ちた取引先に「提案型支援」として使える選択肢

支払い能力が落ちてしまった売掛先に対して、「自社のリスクヘッジのために3社間ファクタリングします」と伝えることで、間接的に「提案型支援」となります。いきなり債務不履行や債権回収で訴訟することはありません、と言外に伝えられます。

ファクタリングによって何かあっても買掛先(債権者)が不良債権をつかまされることがなくなります。3社間ファクタリングではなく「保証ファクタリング」という「支払い不能保険」に近い仕組みもあり、債権者と債務者双方が経営状態が芳しくない中でも、大きな訴訟リスクなくこれまでの関係を維持できる妥協点になり得ます。

実際にファクタリングするかどうかは別にして、取引先に提案できるファクタリングという選択肢をぜひ押さえておいてください。

取引先に提案できるおすすめのファクタリング業者3選

ファクタリングは取引先に内緒で(バレずに)できる2社間ファクタリングと、取引先の同意が必要な3社間ファクタリングに分けられます。通常、3社間ファクタリングがバレると、取引先の心証は悪くなりますが(金策に困っているからファクタリングに手を出した)、取引先に問題があり「提案型支援」を行う場合、ファクタリングによってみなさまがリスクヘッジすることをわかってもらえるはずです。

3社間ファクタリングであれば、みなさま(債権者)が支払う手数料も、2社間ファクタリングと比較して抑えられます。双方が納得できるリスクヘッジとして3社間ファクタリングは有効で、特に以下のファクタリング会社は口コミ評価や業界内の評判も良く、取引先も納得できるはずです。

それぞれ順に解説します。

PMGは最短即日での入金や最大2億円までの事業資金をサポート

PMG
審査通過率非公開
手数料1%~
入金速度最短即日、2時間以内
買取可能額50万円~2億円
契約方法2社間ファクタリング、3社間ファクタリング
必要書類請求書、通帳コピー、決算書
利用対象者法人、個人事業主・フリーランス
運営会社ピーエムジー株式会社

PMGでは、会社としてプライバシー保護に関する第三者認証を取得しており、顧客情報の管理体制が徹底されています。そのため、2社間ファクタリングの利用に際しても、取引先に知られるリスクは極めて低いと言えます。3社間ファクタリングもしっかりと売掛先に連絡し同意を取り付けます。

また、コンプライアンスを重視し、透明性のある運営方針のもとでサービスを提供しており、安心して利用できるファクタリング会社として高い評価を得ています。

買取率(掛け目、審査通過率ではない)は平均98%と業界でも高水準を誇り、実際の入金額が【売掛債権額面-手数料】にほぼ等しいため、資金繰りの計画が立てやすいのが魅力です。ファクタリングの利用が初めての方でも、安心してPMGを利用できます。

全国主要都市に10の支店を構えており、東京・大阪・名古屋・横浜など、いずれも駅からアクセスしやすい立地にあります。

さらに、他社にはない特徴として、補助金や助成金に関する申請サポートも行っており、ファクタリング以外の資金調達に関するサポートも含めた幅広い支援を提供しています。

PMGの公式サイトはこちら

株式会社No.1は最短30分での入金と業界最低水準の手数料1%〜が魅力

株式会社No.1
審査通過率90%以上
手数料1%~15%
入金速度最短即日、30分
買取可能額50万円~5000万円
契約方法2社間ファクタリング、3社間ファクタリング
必要書類請求書、通帳コピー、契約書、決算書2期分
利用対象者法人、個人事業主・フリーランス
運営会社株式会社No.1

株式会社No.1は、東京・池袋に本社を持ち、名古屋や博多などにも支店を展開している歴史あるファクタリング企業です。オンラインファクタリングが可能なので、地域を問わず全国どこからでも利用できます。

株式会社No.1は、業界内での評判や利用者からの口コミ評価が高く、特に個人事業主やフリーランス向けのサービスが充実しています。他社で対応が難しいケースでも、柔軟に対応してくれる点が支持されています。建設関連の事業者向けには、業種特化型のファクタリングメニューも用意されており、工事代金の早期資金化にも役立ちます。

特徴的なのは「イージーファクター」と呼ばれる独自のシステムで、2社間ファクタリング限定のサービスですが、最短30分で資金まで進みます。

さらに、一定の売掛金(高額の売掛債権)がある場合には、スタッフが訪問してその場で現金を渡す「出張買取」サービスも利用できます。その場合、必要書類のデータ化も不要です。

手数料最少1%~ファクタリングできるので、売掛金回収が遅れている場合のダメージも最小限に抑えられるでしょう。

株式会社No.1の公式サイトはこちら

QuQuMoは最短2時間・完全オンライン完結&手数料は1%〜

QuQuMo
審査通過率非公開
手数料1%~
入金速度最短即日、2時間
買取可能額上限なし、下限なし
契約方法2社間ファクタリング(のみ)
必要書類請求書、通帳コピー
利用対象者法人、個人事業主・フリーランス
運営会社株式会社アクティブサポート

QuQuMoは、オンライン手続き(オンラインファクタリング)に特化したファクタリングサービスです。申込みからファクタリング代金の振込までが非常に早く、条件が整えば当日中の入金も可能です。

手続きに必要なのは、請求書と取引口座の通帳コピーのみで他のファクタリング会社より少ないです。書類が少ないため、審査から入金までが短時間で完了し、最短2時間以内に資金を受け取れることもあります。オンライオン専業なので、サービスの利用にはネット環境が必要となりますが、その分どこからでも申請できる利便性があります。

また、償還請求権のないノンリコース契約のファクタリングで売掛先の支払いが滞った場合でも、返済義務が生じないのが大きな特徴です。今回のように売掛先からの回収リスクがある場合にぴったりです。また、債権譲渡登記が不要な点も、より簡単な手続きにしています。

少額の債権でも対応可能で、個人事業主やフリーランスの方も問題なく利用できます。専用のオンラインフォームに必要事項を入力し、書類をアップロードするだけで申込みが完了します。ファクタリングの利用が初めての方でも安心して使えるシステムで、事業歴の長短を問わず幅広く活用できます。

事前に請求書や通帳をPDFで準備しておくと速やかにファクタリングできます。

QuQuMoの公式サイトはこちら

ファクタリング導入の流れと提案時に押さえておくべきポイント

ファクタリングは、債権者(事業者)が急な資金調達の必要性に迫られ、融資では間に合わない、あるいは融資をこれ以上受けられない状況の中で行うだけでなく、売掛先の経営状態にリスクや疑問があり、このままだと期日に売掛金回収できない、売掛金回収が遅れる可能性があるため、多少手数料を支払っても、80%~90%を回収する方法です。

売掛先が倒産して回収できない(0%)よりも、80%~90%回収できた方がマシ、という考え方に基づいてファクタリングを利用します。

中小企業が取引先にファクタリングを提案する際の流れ

中小企業が資金繰り改善の手段だけなく、今回のように売掛金未回収リスクへの対応としてファクタリングを活用する際、取引先にその旨を提案する場合際には、大前提として丁寧な説明と信頼関係の維維持を目的とします。いくら売掛先が倒産しそうだとうわさがあっても、こちらから関係を壊すことは必要ありません。

ファクタリングには、取引先に通知される「3社間ファクタリング」と通知されない「2社間ファクタリング」がありますが、ここでは「提案型支援」として3社間ファクタリングを利用する前提での提案の流れを説明します。

まず初めに、自社の経営状況や資金繰りの課題を整理し、なぜファクタリングが必要なのかを明確にすることが大切です。これにより、取引先も納得できる説明ができるようになります。

次に、利用を検討しているファクタリング会社を選定し、契約条件や手数料、対応スピードなどを確認します。事前にサービス内容を把握しておくことで、取引先への説明も具体的になります。

その上で、取引先に対し、ファクタリングの仕組みや手続き内容、負担の有無について丁寧に伝えます。特に「取引先に新たな金銭的負担は発生しない」「売掛債権の譲渡手続きのみで、これまで通りの取引条件は変わらない」といった点を強調すると、理解を得やすくなります。

説明の際は、ファクタリングが一時的な資金確保の手段であり、今後の取引関係を円滑に継続していくためのやむを得ない選択であることを誠実に伝える姿勢も大切です。「取引先からの売掛金回収が滞っている」と真正面から伝えず、それなりに「ぼかす」テクニックも必要です。

取引先との信頼を損なわないよう、できれば事前に対面で先方代表者に説明してください。遠方の場合はZOOMなどを用いて少なくとも顔が見える説明にしましょう。

最終的に取引先の同意が得られたら、ファクタリング会社を通じて正式な契約手続きに進みます。ファクタリングによる売掛金回収のリスクヘッジには、取引先と自社の双方が安心できるクリアな対応と、双方の関係を損なわないコミュニケーション(仁義)も必要です。

提案時に誤解を与えないための伝え方とよくある懸念への対応策

3社間ファクタリングを取引先に提案する際は、誤解や不信感を与えないよう、伝え方に十分配慮する必要があります。

まず、ファクタリングは「売掛金の早期回収手段」であり、「借金ではない」ことを明確に伝えてください。債権譲渡として民法の条文にも書かれている合法で健全な方法であることを強調します。

また、「取引先に新たな負担が発生しない」点も丁寧に説明しましょう。支払期日や金額に変更はなく、通常通りの振込先がファクタリング会社に変わるだけであることを伝えると、相手の不安を軽減できます。ここで取引先に「支払期日通りに」というニュアンスを伝えられます。勘の良い売掛先なら、「自分の支払いが遅いから」と気付くかもしれません。

よくある懸念として、「債権者の経営状態が悪く融資も受けられないので、倒産の予兆ではないか」「支払先が変わるのは債権者に問題があるのでは」というものがあります。

原因は取引先にあるのですが、それを言うと関係が悪化するので、ファクタリングによって資金の流れを安定させ、より円滑に取引を継続するための選択肢であること、また一時的なキャッシュフロー改善のための経営テクニックであると説明すると効果的です。

誠実な態度で、今後の取引継続に前向きであることを伝えることも、信頼維持につながります。できれば対面で誠意が伝わるように説明してください。

審査に落ちたときの代替回収プラン!取引先の債権を活用

売掛先からの売掛金未回収リスク回避のため、ファクタリングを用いて未回収リスクをファクタリング会社に引き受けてもらうことを説明しましたが、ファクタリング会社もそのようなリスクを引き受けたくないとして、審査で落とす可能性があります。

みなさま(債権者)が売掛先に持っている売掛債権はファクタリング会社も引き受けられない「不良債権予備軍」という位置付けになってしまいます。こうなると、みなさまがファクタリングによって、売掛先からの未回収リスクをヘッジする方法がなくなり、いつ爆発するかわからない売掛債権を持ち続けることになってしまいます。

ファクタリング会社にも買取拒否される「不良債権予備軍」をそのまま放置できません。中小企業的にはその売掛先との取引を減らし辞める方向が正しいのですが、短期的にできる最終手段としてこのような方法があります。

【A:債権者(みなさま) B:売掛先、債務者 C:Bの売掛先】とします。

AのBに対する売掛債権のファクタリングが断られた状態です。そこでAは、Bが他社に売掛金(たとえばCに対する債権)を持っていないかを確認します。

BがCに対する売掛債権を保有していたため、Aは「その債権を使ってファクタリングをしてみてはどうか」とお願いします。Bがお願いを引き受けてCに対する売掛債権でファクタリングを行い現金化した後、そのお金をAに支払う流れになります。

BのCに対する売掛債権はBの資産ですので、Aに処分権はありません。また法的にもAがBに強制できるものではないため、お願いベースになります。他人(A)から「あなたの財産を処分して自分に支払って」と言われることにBは良い思いはしないはずですが、Aへの支払いが遅れている、できない中では(しぶしぶ)受け入れる可能性はあります。

法的手段よりはBが受ける衝撃は低いですが、これまでの関係は維持できないかもしれません。法的手段よりはマシだが強い圧力になるとご認識ください。またお願いの方法や言い方次第では、脅迫と取られる可能性もあります。

「こういう方法もあるのか」と知っていただき、実行の可否は十分検討してください。リスクを感じるならば最初から法的手段を検討しても良いです。

売掛金未回収リスクは予防が重要!日頃の与信管理と契約の工夫を

売掛金の未回収リスクはファクタリングである程度回避できますが、あくまで対症療法の1つになります。みなさまにおかれましては、根本的に支払い遅延、支払い不能になる事業者を売掛先にしないことが大切です。ファクタリング以外の売掛金未回収リスクの下げ方について簡単に紹介します。

与信審査や支払いサイト管理で未回収リスクを下げる工夫

掛売の契約取り交わす前に「与信審査」(信用情報調査)を行い、取引して良いか判断します。金融機関やカード会社が使う信用情報機関については、我々は利用できないので、民間の信用調査会社を利用します。お金がかかりますが、売掛金回収不能になるよりもマシです。

また、売掛金の支払いサイト(〇日締め~△日払いまでの期間)については短めに設定することをおすすめします。

契約書や発注書に盛り込むべき条項とその注意点

契約書や発注書には支払い不能になるリスクを減らすための条項を盛り込んでください。

【支払条件(支払サイト)】

  • 例文:本件代金は、納品月の末日締め、翌月末日までに支払うものとする。

絶対に記載しなければならない事項です。支払日があいまいだと入金の遅延や「払った、払わない」の原因になります。明確な日付あるいは「支払いサイト〇日」と記載します。

【請求書の提出方法・期日】

  • 例文:請求書は納品完了後〇営業日以内(あるいは毎月〇日までに)にメール(チャットワークなども可)にて提出するものとする。

メールやチャットワーク、Slackなど業務用チャットの電子方式、あるいは紙の請求書を郵送するか定めておきます。メールは証拠が残りますが、チャットは送った画面をスクショして画像で保存しておくことで「確かに請求書を送りました」という証明になります。

【売掛金の譲渡禁止特約条項の有無(盛り込むかどうか)】

  • 例文(譲渡を禁止する条文):本契約に基づく債権は、相手方の事前承諾なく第三者に譲渡してはならない。

ファクタリングを行う場合、この条項があると利用できないので、譲渡禁止を外すか、「事前承諾があれば譲渡可能」とする緩和条項を入れるか。ただし、2020年の民法(債権法)改正で債権譲渡禁止特約があっても譲渡できるように定められました。

ならば特約は無意味では?と思われますが、3社間ファクタリングで債務者が同意しない場合、かつ債権譲渡禁止特約がある場合、原則ファクタリングできません。3社間ファクタリングで債権譲渡通知を行うのはそのためです。悪徳業者への譲渡も譲渡禁止特約で排除できます。

【遅延損害金】

  • 例文:支払期日を過ぎた場合、年14.6%の割合で遅延損害金を請求できるものとする。

売掛金回収不能未払いリスクへの備えとして明記しておくことで、債務者(売掛先)への心理的な抑止力にもなります。なお、遅延損害金を書かなくても遅延損害金は発生しますが、その場合法定金利(3%)になります。また利息制限法を超えた遅延損害金の設定は無効になります。つまり、年利20%が上限になります。

【 支払い遅延時の対応】

  • 例文:支払遅延が14日を超過した場合、甲は乙に対し、内容証明郵便による通知を行うことができ、通知日以降に発生する法的費用および弁護士費用についても乙の負担とする。上記に基づき、甲が訴訟その他法的手続きを行う場合、乙はこれに異議なく応じるものとする。
  • 本契約に関する一切の紛争は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所する。

支払い遅延時、あるいはトラブルが起きた際の対処法について記載します。具体的にこのように書いておけば対処法もすぐ決まります。管轄裁判所を決めるのはお互いに近いところならば良いのですが、東京の債権者が鹿児島の売掛先との係争について、福岡地方裁判所を管轄としていた場合、福岡まで出向かねければならなくなるかもしれません。

合意管轄裁判所を定めない場合は、相手方の所在地を管轄する裁判所に訴訟を提起するのが原則なので、福岡まで出向く必要があります。なるべく近い取引先と契約した方がいざと言うときのコストを減らせます。

遅延損害金や支払遅延時の対応条項の書き方

上の例文で示したように書きます。

契約書に遅延損害金に関する条項を書くには、「債務者(乙)」が「債権者(甲)」に対して、遅延損害金を支払う旨を定めます。甲乙は逆にしても構いません。

【遅延損害金の書き方の例】

  • 乙は甲に対し、本契約に定める金銭債務の支払いを怠ったときは、支払日の翌日から支払い済みまで年○パーセントの割合による遅延損害金を支払う。※〇%は利息制限法の範囲内

【支払遅延時の対応条項の書き方の例】

上記の法的措置に関するものの他、不可抗力によって支払えない、納品できない場合の条項もあります。

  • 甲及び乙は、天災事変、戦争、暴動、内乱、同盟罷業、争議行動その他不可抗力により本契約の全部又は一部の履行の遅延又は不能が生じた場合は甲及び乙は共にその責を負わないものとする。

支払い遅延になった理由が天災や不可抗力の場合、弁護士を使って債権回収するのはどうなのか、ということでこの条項を盛り込みます。